人前で話すのは、なかなか勇気が要ることですよね。ましてや、何かを伝えようとすると、いよいよ難しく感じます・・どうしたらいいのでしょうか??
「何かを伝えよう」というと、どうしても「知識」を伝えることに重点を置いてしまいますが、実は、「知識」に「感情」がともなって、さらに強く伝わるのだと思います。
「沈黙の春」を書いた環境問題の先駆者の自然科学者レイチェル・カーソンが、『「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではない。』と言っています。
半分かどうかはともかくとして、先日参加した勉強会で、その言葉を実感するような出来事が起こりました。
FP(ファイナンシャルプランナー)の2時間の勉強会で、講師の方は大量の資料を用意して、次々と読み上げて行きます。1時間半の間、参加者は「ただ聞いているだけ」で、置いてけ堀状態でした。私は「これなら、資料のコピーをいただいて、あとで読めばいいな・・」と思っていました。
講師は孤軍奮闘のあげく、時間を30分以上も残して「予定より早く終わってしまいました。」と言われて、大汗をかかれていました。
ところが、用意した資料がなくなり開き直られた講師の方は、「なぜ、この話しをしたかったのか」「本当は何を伝えたいのか」を、自分の言葉で、感情を込めて伝えだしました。すると、みるみる場の空気が変わって、生き生きしてきました。
生き生きとしてきたところで、私の提案で、「ここまでの感想を2人組で3分話す」次に「ひとりずつ順番に感想を話す」というワークを入れて、時間どおり終わり、参加者の皆さまは、ニコニコして帰られました。
今回の講師の方は、知識も経験もある立派な方だったのですが、「伝える」ことに慣れていなかったようです。
「伝える」ことは一方通行ではなくて、かならず「伝えられる」側が存在します。「伝えられる」側が「何の目的で勉強会に参加して、何を得たいか」をまず確かめて、それに応えるという、双方向のコミュニケーションで進めることが肝心だと思います。
あとは、話しながらも常に場(参加者の雰囲気や態度)を感じ取り、ときには質問を投げかけたりして、「今ここ」で起きていることに対応することが大切だと思います。そのためのスキルや考え方の宝庫が会議促進術(ファシリテーション)です。(じつは「2人組で話す」「順番に話す」も会議促進術のスキルなのです)
★勉強会もですが、会議でも「感じる」「伝える」事が大事です・・【会議の進め方(ファシリテーション)】の公開セミナーも行なっています。ご興味のある方は、こちらをご覧ください。
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アーカイブ: 2014年6月9日
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