“あの会社”の躍進の秘密は、「社員の自発的なヤル気を促す会議」にあった?!
NHK朝ドラ「マッサン」の中で、サントリーの前身である“鳥井商店・寿屋”(ドラマでは“鴨居商店”)の躍進の秘密が明かされています。
ドラマのあらすじを振り返ると、
『他社ワインの爆発騒ぎの風評被害で売上が激減している主力商品“太陽ワイン”の生産販売を継続するか否かを決める社内会議が、鴨居商店で行なわれました。
参加者は鴨井社長(サントリーの創業者 鳥井信治郎がモデル)、経理に詳しい秘書、開発部長、宣伝部の若手社員、デザイン担当の女子社員、見習い帝大生、下請け製造元の社員という多様なメンバー。』
『撤退か、存続か。ケンケンガクガクの議論の末、太陽ワインの印象を180度変える広告で現状を打破することが決定しました。』
ここで注目したいのは、今までワンマンの指示命令型社長だと思われていた鴨井社長が実はそうでなくて、役員から見習いまで各分野・各層の社員に「みんなに聞きたい。太陽ワインをどうするか。撤退か…存続か」と問い掛けたことです。
社員たちは自由闊達に自分の意見を言います。そして下請け製造元の社員である主人公マッサンの「世間の見る目を180度変える」という発言を引き出し注目して、それを機に社員たちは火が点いたようにアイデアを出しまくり、「世の中がアッと驚くような新しい広告を打ち出す!」という結論に至ります。
そして結論が出たあと、宣伝費用について心配する秘書に対し鴨井社長は「金の心配はいらない。責任は全部わてが取る!みんなが鴨居商店から目が離せんようになる新しい広告!作ったろやないか!」と言い切ります。
鴨井社長は、金魚占い!?により会議の前から既に結論は出していたが、社員の自発的なヤル気を促す為に今回の会議を開催した、ヤリ手社長なのかも知れません。
そのあたりはともかく(笑)、この「自由な話し合いで社員にたくさんの意見を出させ、結論を決めさせ、自発的なヤル気を引き出し、行動を促す」会議の進め方を“ファシリテーション”と言います。
ファシリテーションとは、広くは「人々の活動が円滑に行われるように、中立的な立場から支援をすること」、狭くは「会議を円滑に行なう方法」です。
ドラマの時代(大正11・1922年)にすでにファシリテーションを取り入れて社員のアイデアと自発的なヤル気を引き出していたところにサントリーの前身である“鳥井商店・寿屋”(ドラマでは“鴨居商店”)の躍進の秘密があるのかもしれませんね!
鴨井社長のモデルの鳥井信治郎は、13歳で入った薬種問屋の丁稚奉公先で、輸入ワインやウイスキーの基礎知識を学びます。20歳で独立し鳥井商店(後の寿屋)を立ち上げると、8年後に「赤玉ポートワイン」を大ヒットさせます。
そんな苦労人だけに、社員の気持ちがよく分かったのでしょうね♡
※写真は、この会議のあと作られたサントリー「赤玉ポートワイン」の広告ポスター。これは、日本で初めてのヌード広告ポスターです(大正11)1922年に公開された片岡敏郎監督。松嶋、恵美子をフィーチャー。
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